子供が世界に興味をもってきたら、読みたい(見たい?)絵本のご紹介。
名画にふれるきっかけ作りにもよい絵本です。
書名:旅の絵本
著者:安野光雅
出版社:福音館書店
価格:1,540円 |
絵本の内容
- 文字がひとつもない。
- 描かれた風景の中には遊び心いっぱいの仕掛けがたくさん!
- 開くたび、成長するたびに新しい発見がある。
- 幼児から大人まで幅広い世代で長く楽しめる。
最初の場面は、旅人が旅先に到着するシーンから。舟を使ってゆったりとやってきます。次の場面で馬を借り、その後は旅人と馬が旅をする風景が描かれます。絵本の中に車や汽車はでてきても、旅人の旅は舟や馬を使っていて全体的にのんびりゆったりの雰囲気。
旅の始まりは村はずれで描かれるものも少ないですが、村から町へ、町から中心街へ、と次第に画面はにぎやかになっていきます。そして再び村のほうへ戻っていき、最後に旅人は馬を返し、新たな旅先に向けて出発する場面で絵本はおわります。
絵の構成は旅人を含めた風景を俯瞰したものとなっており、街並みや人々の生活が繊細なタッチで緻密に描き込まれています。
絵本の中には実に多くの人々が描かれていますが、数場面前に登場した人物が後の場面で再登場したり、中にはシリーズを超えて再登場する人物もいて 群像劇をみているようです。
また至る所に名画や童話の世界、その土地にゆかりのある偉人・有名人たちが描かれているほか、かくし絵、だまし絵まで用意されています。
子供の反応
我が家の子供が初めて読んだのは年長さんの時。
反応はとても良いです。
旅人をさがせ!風景にまぎれた童話のワンシーン探しに夢中!
細かく色々と描き込まれた絵、子供は好きですよね。間違い探しとか、絵の中から何かを見つけるのが好き。そんな子にドンピシャ!な絵本。
まずは全場面にいる旅人探しに夢中になります。「ウォーリーをさがせ!」で夢中になったあの感覚。ウォーリーほど大変じゃないけど、幼児期にはちょうど良い難しさ。
そうこうしているうちに、童話の一場面が描かれていることに気が付きます(たくさん絵本読んでてよかった)。息子くん、ゲラゲラ笑いながら「みてみて!〇〇がいる~!」と楽しそう。
親は子供より人生経験が長いので、ミレーなど西洋絵画の巨匠の作品があることも、童話が他に隠れていることも、だまし絵があることにも気づいてしまうわけです。でもそれを最初に教えては多分おもしろくありません。
そこで「あ!ママ他のお話も見つけちゃった!」だとか、「この絵、なんだかおかしいなぁ…」だとか、「あれ!?これ世界的にとぉ~っても有名な絵が描かれてる!!どれかわかる?」と少々おおげさに言って誘導します。まんまとハマっていきます。
名画に触れるきっかけ作りに
さて、この「旅の絵本」を選んだのには理由がありまして。
子供が世界に興味を持ち始めたから、というのもありますが
最大の理由は「私が美術館や博物館に行きたいから!」なのです。
告白します。子供のためでもなんでもありません!私が美術展に行きたいからなんです!
夫は私が行きたいところには一緒に行きたがるタイプ。夫も一緒に行くとなると、核家族だし子供を預ける先がありません。どうしよう…
年長ともなればそろそろ美術館デビューさせていい頃だし、私が我慢を続ける必要はないはずです。けれども無理やり連れて行ってはお互いが楽しくない。ならば子供みずから「行きたい!」と言う環境を作るしかないじゃないか!
ということで、
まずは子供に名画を楽しく知ってもらう手段として本書を活用することにしました。
イイ感じで興味を持ってくれています。
大人も隠された「なにか」を見つけたくて夢中になる
そんなこんなで「旅の絵本」がすっかり気に入った息子くんですが、実は親の私も何度も見返す本となりました。作者のあとがきを読むのも楽しいし、開くたびに発見があるのが楽しい。何か見落としがないか、どこにネタが落ちているのか、探すのに夢中になってしまいます。
幼児期から大人になるまで、それぞれの成長段階で楽しめる絵本
「旅の絵本」は名画だけでなく、偉人や劇中のワンシーン、異国の文化なども描かれているため、成長して教養が身につくごとに発見が多くなります。
初めは図書館で借りていましたが、息子くんも幼児期に「旅人をさがせ!」で楽しんだ絵本を、成長過程でも、大人になってからでも、きっと楽しんでくれるだろう、と思って購入しました。
まぁ、私が本を手元に置いておきたいから、っていう理由のほうが大きいかもしれませんけどね。
この本に興味をもったら オススメの絵本
この本・著者に興味をもったら、次の絵本もオススメです。
だまし絵に興味をもったら
書名:ふしぎなえ
著者:安野光雅
出版社:福音館書店
価格:990円 |
どこがおかしいか、子供と話し合うのも楽しいですよ。
隠し絵に興味をもったら
書名:もりのえほん
著者:安野光雅
出版社:福音館書店
価格:990円 |
森の中にたくさんの動物がかくされています。どれだけ見つけられるか子供と競争してみましょう!